
ブリッジ整流回路とハーフウェーブ整流回路の違い
電子回路において、交流(AC)を直流(DC)に変換するために整流回路が用いられます。
整流方式にはいくつか種類がありますが、
その中でも「ブリッジ整流回路」と「ハーフウェーブ整流回路」は特に基本的な構成として知られています。
整流回路にはいくつか種類があると聞きましたが、
ブリッジ整流とハーフウェーブ整流はどう違うのですか?
どちらも交流を直流に変換するための回路ですが、回路構成や出力の特性が異なります。
ハーフウェーブ整流回路はダイオード1つだけで構成されるシンプルな回路ですが、
出力に大きなリップル(脈動成分)が含まれます。
ブリッジ整流回路は4つのダイオードを使い、より滑らかな直流を得ることができます。
ハーフウェーブ整流回路の特徴
ハーフウェーブ整流回路(半波整流回路)は、シンプルな構成で交流の半周期のみを利用する整流方式です。
- 構成が非常に単純で、ダイオード1つで動作する。
- 交流の片側の波形のみを利用するため、効率が低い。
- 出力に大きなリップル(脈動)が含まれるため、安定した直流が得にくい。
- 負荷にかかる電流が間欠的なため、大きなコンデンサが必要。
ブリッジ整流回路の特徴
ブリッジ整流回路(全波整流回路)は、4つのダイオードを使用して、交流の両方の半周期を利用する方式です。
- 交流の正負両方の波形を利用するため、効率が高い。
- 出力電圧のリップルが小さく、より安定した直流が得られる。
- 電流が途切れずに流れるため、小さいコンデンサでも安定化しやすい。
- ダイオードが4つ必要なため、部品点数が増える。
ハーフウェーブ整流回路とブリッジ整流回路の比較
項目 |
ハーフウェーブ整流回路 |
ブリッジ整流回路 |
使用するダイオードの数 |
1個 |
4個 |
変換効率 |
低い(約40%) |
高い(約80%) |
リップル電圧 |
大きい |
小さい |
回路の複雑さ |
簡単 |
やや複雑 |
安定化のしやすさ |
難しい |
しやすい |
比較表からもわかるように、ブリッジ整流回路の方が変換効率や安定性が高いため、
ほとんどの電源回路ではこちらが採用されています。
しかし、ハーフウェーブ整流回路は簡単な回路が求められる場合や、
小電力の用途では今でも活用されています。
まとめ
ハーフウェーブ整流回路とブリッジ整流回路は、整流方式としてそれぞれ異なる特徴を持っています。
ハーフウェーブ整流回路はシンプルで構成が容易ですが、変換効率が低く、出力が不安定です。
ブリッジ整流回路は安定した直流を得るための一般的な方式として、電源回路などで広く採用されています。

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