パワーエレクトロニクスの分野では、スイッチング素子として
「IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)」と
「MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)」が広く使用されています。
これらは高効率な電力変換や電力制御の要となるデバイスですが、それぞれ特性が異なり、適した用途も異なります。
ここでは、IGBTとMOSFETの基本的な構造や特徴、用途の違いについて詳しく解説します。
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)は、
MOSFETの高速スイッチング性能とBJT(バイポーラトランジスタ)の大電流特性を兼ね備えたパワーデバイスです。
MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)は、電界効果を利用して電流を制御する半導体素子です。
項目 | IGBT | MOSFET |
---|---|---|
動作電圧 | 高電圧(600V以上) | 低~中電圧(500V以下) |
スイッチング速度 | 比較的遅い | 高速 |
用途 | インバーター、モータードライブ | スイッチング電源、DC-DCコンバータ |
導通損失 | 低い | 非常に低い |
IGBTとMOSFETは、それぞれ異なる特徴を持ち、用途によって使い分けが必要です。
IGBTは高電圧・大電流用途に適しており、インバーターやモータードライブなどで活躍します。
一方、MOSFETは高速スイッチングが可能なため、スイッチング電源やDC-DCコンバータなどに向いています。
用途に応じて適切なデバイスを選択することが、効率の良い電力制御につながります。