
リアクタンスとインピーダンスの違い
電気回路を設計・解析する際に重要な概念として「リアクタンス」と「インピーダンス」があります。
これらはどちらも交流回路に関係する値ですが、それぞれの意味や役割が異なります。
違いを正しく理解することで、適切な回路設計やトラブルシューティングに役立ちます。
「リアクタンス」と「インピーダンス」の違いがよく分かりません。
どちらも交流回路で使われますよね?
そうですね。
リアクタンスは、コイルやコンデンサが交流電流に対して示す抵抗成分のことです。
一方、インピーダンスは、リアクタンスに直流抵抗(レジスタンス)を加えた、
交流における総合的な抵抗を指します。
リアクタンスとは?
リアクタンスは、交流回路においてインダクタ(コイル))やコンデンサ(キャパシタ)が電流の流れを妨げる特性を表します。
- インダクタンス(L)によるリアクタンス:XL = 2πfL(インダクティブリアクタンス)
- キャパシタンス(C)によるリアクタンス:XC = 1/(2πfC)(キャパシティブリアクタンス)
- リアクタンスは、電流と電圧の位相差を生じさせる要因となる。
なるほど。
リアクタンスはインダクタとキャパシタの影響を受けるんですね。
その通りです。
ただし、リアクタンスだけでは回路全体の特性を把握できません。
そこで登場するのがインピーダンスです。
インピーダンスとは?
インピーダンス(Z)は、交流回路における合成抵抗であり、レジスタンス(R)とリアクタンス(X)の両方を含みます。
- 式:Z = R + jX(jは虚数単位)
- インピーダンスは、回路全体の電流と電圧の関係を決定する。
- 電流と電圧の位相差を考慮する必要がある。
リアクタンスとインピーダンスの比較
項目 |
リアクタンス |
インピーダンス |
構成要素 |
インダクタンスまたはキャパシタンスのみ |
レジスタンス+リアクタンス |
表現式 |
XL = 2πfL, XC = 1/(2πfC) |
Z = R + jX |
位相差 |
90度(誘導性または容量性) |
任意の角度(リアクタンスとレジスタンスの影響を受ける) |
まとめると、リアクタンスはコイルやコンデンサ単体の交流特性を表し、
インピーダンスは回路全体の影響を考慮したものになります。
まとめ
リアクタンスとインピーダンスはどちらも交流回路の特性を表す重要な指標ですが、
リアクタンスはインダクタ(コイル)やコンデンサ単体の電流の流れにくさを示し、インピーダンスはレジスタンスを含めた合成抵抗です。
実際の回路設計では、インピーダンスを考慮して適切なコンポーネントを選定することが求められます。

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