電子回路を設計する際に基本となる「直列回路」と「並列回路」。これらは、電気の流れや負荷の接続方法が異なり、
それぞれに独自の特徴と用途があります。
例えば、直列回路は1本のルートを介して全ての負荷を接続し、並列回路は複数のルートを持つ回路構成です。
ここでは、直列回路と並列回路の基本的な特徴、動作原理、メリット・デメリットを詳しく解説します。
直列回路は、電流が1本のルートを介して全ての負荷を通過する回路です。
並列回路は、電流が複数のルートを通って負荷に流れる回路です。
項目 | 直列回路 | 並列回路 |
---|---|---|
電流 | 一定 | 負荷ごとに分配される |
電圧 | 負荷ごとに分配される | 全ての負荷に同じ電圧がかかる |
負荷の故障 | 全体が動作しなくなる | 他の負荷は動作を続ける |
主な用途 | 電池の直列接続、シンプルな回路 | 家庭用配線、複数機器の接続 |
回路タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
直列回路 |
設計がシンプルで扱いやすい。 負荷の電圧を合計して高電圧を得られる。 計測や試験装置に適している。 |
負荷の故障で全体が停止する。 負荷が増えると電圧分配が複雑になる。 複数負荷の同時駆動には不向き。 |
並列回路 |
一部の故障が他に影響しない。 全ての負荷に同じ電圧を供給できる。 家庭用電源や機器接続に最適。 |
設計が複雑で初心者には難しい。 負荷が増えると過負荷のリスクが高い。 電流管理が必要になる。 |
用途 | 推奨される回路 | 理由 |
---|---|---|
懐中電灯の電池接続 | 直列回路 | 電圧を増加させるため。 |
家庭用配線 | 並列回路 | 各機器が独立して動作できるため。 |
複数のLED接続 | 並列回路 | 各LEDに同じ電圧を供給するため。 |
シンプルな計測回路 | 直列回路 | 設計が容易なため。 |
直列回路と並列回路は、それぞれ異なる特性と用途を持つ重要な回路構成です。
直列回路は電流が一定で、並列回路は電圧が一定という違いがあります。
用途や必要な特性に応じて適切な回路を選択することが重要です。