エレクトロニクスの豆知識 | 種類・基礎知識 | 用語
ESRは、コンデンサやコイルなどの受動部品において、
理想的な特性からの逸脱を表す指標の一つで、部品内部の抵抗成分を等価的な直列抵抗として表した値です。
電子回路における様々な性能面で重要な役割を持ちます。
特にスイッチング電源の設計や高周波回路において、
ESRは電源の効率、発熱、ノイズのレベルに直接影響を及ぼします。
低いESR値を持つコンデンサは、より少ないエネルギー損失と高い効率を実現します。
コンデンサのESRは、充放電サイクル中のエネルギー損失の大きさを示し、
特にリップル電流が大きいアプリケーションでは、低ESRが求められます。
ESRは専用の測定器を用いて測定され、
この値によってコンデンサの品質や適用可能なアプリケーションが判断されます。
通常、特定の周波数(例えば100kHz)での抵抗値が指標として用いられます。
低ESRコンデンサは、高効率を求めるアプリケーションや、
温度上昇やノイズを最小限に抑える必要がある場合に選択されます。
特に、スイッチング電源やオーディオ機器、高周波通信機器などでその価値が高まります。
ESRは、電子部品の性能を最適化するために考慮すべき重要なパラメータの一つです。
設計段階で適切なESR値を持つ部品を選択することで、電子機器の性能と信頼性を向上させることができます。