エレクトロニクスの豆知識 | 種類・基礎知識 | 用語
リップル(Ripple)とは、整流回路や電源回路で発生する微小な電圧変動のことです。
理想的な直流電圧は一定ですが、実際の回路では交流成分が残るため、リップル電圧として波形に揺らぎが生じます。
リップル電圧は、主に以下の要因によって発生します。
リップルとノイズはどちらも電源回路に現れる電圧変動ですが、以下のような違いがあります。
項目 | リップル | ノイズ |
---|---|---|
発生源 | 整流後の交流成分が残るため | 外部からの電磁波やスイッチングによる影響 |
周波数 | 電源周波数(50Hz / 60Hz)やその高調波 | 数kHz~GHzの高周波成分 |
影響 | 電源電圧の変動による誤動作 | 信号品質の低下、通信障害 |
対策 | 平滑コンデンサの追加、レギュレーターの使用 | シールド、フィルタの使用、適切なGND処理 |
リップルノイズとは、リップル電圧にノイズ成分が重なったものを指します。
特にスイッチング電源では、高周波スイッチングの影響でリップル成分にノイズが混ざります。
リップルノイズは、以下のような特徴を持ちます。
リップルノイズを抑えるためには、以下の対策が有効です。
リップル電圧(Vripple)は、以下の式で求められます。
Vripple ? I / (f × C)
コンデンサの容量を大きくすると、リップル電圧は減少します。
フィルタの種類 | 特徴 |
---|---|
コンデンサフィルタ | 平滑コンデンサを使用し、リップルを減少 |
LCフィルタ | インダクタとコンデンサを組み合わせ、高効率でリップルを除去 |
RCフィルタ | 抵抗とコンデンサを使い、高周波成分をカット |
アクティブフィルタ | オペアンプを用いた高精度なリップル除去 |
スイッチング電源では、高周波スイッチングによるリップルが発生します。これを低減するために、以下の技術が用いられます。
リップル電圧は、オシロスコープやマルチメータを使用して測定します。
リップル電圧は、整流回路や電源回路で発生する電圧変動であり、ノイズとは異なる現象です。
しかし、スイッチング電源ではリップルにノイズ成分が重なる「リップルノイズ」が問題となることが多く、
適切な対策が求められます。
適切なコンデンサ、フィルタ、レギュレーターを使用することで、リップルやリップルノイズを低減し、安定した電源供給を実現できます。